デザインの仕事は、非常に創造的で非常に魅力的です。
そのためデザイン領域の仕事を志す人は多いですが、どのような仕事があるのかご存じでしょうか。
また、そもそもデザインとは何かということについてご説明します。
デザインやそれに関する仕事に関する疑問があるという方は必見です。
当記事では、デザインとは何か、デザインの仕事にはどのようなものがあるかということについてご紹介します。
デザインの仕事に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
デザインとは?
そもそもデザインとは何でしょうか。
「形や配置、色などに工夫が施された設計や図案である」
このようにイメージされている方もいるでしょう。
広辞苑(第六版)では「下絵。素描。図案」、「衣装計画。・・・」と定義されていますが、一般には2つの意味があります。
1つ目:設計したことに基づいてモノをカタチにしていく
たとえば洋服をアイデアから実物にしたり、建築物の模型を作ることなどを指します。
2つ目:目的達成のための思考の枠組み・コンセプトの設計
モノを形にするまでに思考を巡らしたり、計画したりすることもデザインに含まれます。
まとめると、物に限らず、仕様や計画、活動などを含む創造行為全般のことをデザインと言います。
デザインとアートの違い
デザインに関する理解を深めるために、ここでは「アート」と比較していきます。
これらの単語は混同されやすいですが、違う概念です。
いくつかの比較軸で、その違いを確認してみましょう。
何を伝える?
アートは自分のためのものです。
見る人によって解釈は様々に分岐しますし、それらは作者の意図と異なることもあります。
一方でデザインは他人のためのものであり、この点でアートと異なります。
また、ターゲットに伝えたい内容が定まっていることも、アートと異なります。
まとめると、アートは伝える内容が定まっておらず、デザインでは定まっています。
デザインでは解釈の幅をなくす必要があるため、作成方法もアートとは異なります。
何で評価される?
アートの場合、技術以前に「作品の思想」や「作品のメッセージ」が評価されます。
もちろん技術が不必要という訳ではありませんが、技術以上にその意味が求められます。
一方でデザインの場合、まずはクライアントの意図を実現できる技術が必要です。
評価される基準も、その意味というある程度解釈によるものではなく、「実際にターゲットに訴求できたか」というシビアなものとなります。
デザインで重要なこと
デザインでは、クライアントのメッセージが、ターゲットに伝わることが大切です。
アートのように解釈が分かれるようなデザインは、あまり良いモノとは言えません。
そのためにクライアントの意図をしっかりくみ取る必要がありますし、それを実現するだけの技術も求められます。
デザインのジャンルごとにデザイナーについてご紹介!
デザイナーといっても、グラフィックデザイナーやファッションデザイナー、インテリアデザイナーやWebデザイナーなど、業務内容は非常に多岐に渡ります。
このように幅広いデザイナーという仕事ですが、業界に存在しているものは「ビジュアルデザイン」、「プロダクトデザイン」、「スペースデザイン」、「ファッションデザイン」の4つに大別されます。
ビジュアルデザイン
ビジュアルデザインとは、広告や出版・映像関連、パッケージなどのデザインを行うジャンルです。
主に平面的なデザインを分かりやすく的確に見せること、美しく魅力的に伝えることが業務となります。
ビジュアルデザインの主な職業としては、以下の通りです。
ビジュアルデザインの主な職業
・グラフィックデザイナー
・エディトリアル(ブック)デザイナー
・アートディレクター
・広告(アドバタイジング)デザイナー
・Webデザイナー
・ゲームデザイナー
・CGデザイナー(クリエイター)
・DTPデザイナー(オペレーター)
・パッケージデザイナー
・イラストレーター
・フォトグラファー
プロダクトデザイン
プロダクトデザインとは、工業製品をデザインするジャンルです。
ありとあらゆる工業製品のデザインをすることが業務となります。
たとえば、おもちゃや文房具といった小さなものから、車やバイクといった大きなものまで、デザインの対象は様々です。
プロダクトデザインを行う職業は以下の通りです。
プロダクトデザインの主な職業
・インダストリアルデザイナー
・プロダクトデザイナー
・カースタイリング(インテリア)デザイナー
・玩具・遊具デザイナー
・雑貨・文具デザイナー
・スポーツ用品・生活用品デザイナー
・ファニチャーデザイナー
・電機・通信・精密機器デザイナー
・輸送機器デザイナー
スペースデザイン
スペースデザインとは、店舗や住宅の空間をデザインするジャンルです。
商業ビルや店舗、オフィスといった様々なスペースの設計・デザインを行います。
スペースデザインを行う職業は以下の通りです。
スペースデザインの主な職業
・空間デザイナー
・インテリアデザイナー(コーディネーター)
・エクステリアデザイナー
・ガーデンデザイナー
・イベント(美術)デザイナー
・住宅(リフォーム)デザイナー
・ディスプレイデザイナー
・店舗デザイナー
・建築家(建築設計士)
・家具デザイナー(家具職人)
・照明(ライティング)デザイナー
・舞台美術家
ファッションデザイン
ファッションデザインは、アパレル業界のデザインを行うジャンルです。
服飾全般に加え、帽子やバッグといったアイテムのデザインも対象です。
ファッションデザインを行う職業は、以下の通りです。
ファッションデザインの主な職業
・ファッションデザイナー
・靴デザイナー
・バッグデザイナー
・帽子デザイナー
・舞台衣裳(コスチューム)デザイナー
・テキスタイルデザイナー
・スタイリスト
・パタンナー
主なデザイナーの仕事について
最後に、主なデザイナーの仕事内容を具体的にご紹介します。
1.グラフィックデザイナー
グラフィックデザイナーは、情報伝達を目的としたデザインの制作を行います。
具体的には、雑誌や新聞の広告、看板や商品パッケージなどです。
作るときは、イラストや文字、写真や図といった要素をいくつか組み合わせます。
仕事内容としては、自社もしくは広告代理店から受けた依頼を行います。
2.Webデザイナー
Webデザイナーは、文字通りWebデザインを行います。
仕事内容は、主にクライアントから依頼されたWebサイトのデザインの担当・制作です。
クライアントの意向を実現するために、Webサイトを作っていきます。
3.UI/UXデザイナー
UI/UXデザイナーは、Webアプリのユーザにとって使用しやすいシステムやビジュアルをデザインする職業です。
たとえばユーザにとって見やすい配色や文字をデザインしたり、ユーザが「楽しい」と感じるようなデザインを行ったりします。
4.CGデザイナー
CGデザイナーは、コンピュータとCGソフトを使用して2次元または3次元のグラフィクスを制作します。
CGデザイナーは、全工程を一貫対応するジェネラリストと、各工程を独立して担当するスペシャリストに分けられます。
まとめ
デザインには、以下のように2つの意味があります。
【1】設計に基づいてモノを形にしていくこと
【2】目的を達成するための思考の枠組みやコンセプトの設計
このように創造的な行為はすべてデザインとされるため、その業務は非常に多岐に渡ります。
当記事ではデザインの仕事を「プロダクトデザイン」、「ビジュアルデザイン」、「スペースデザイン」、「アパレルデザイン」の4つに大別しましたが、これらグループの中でも仕事は様々です。
デザインが好きな方やデザインを仕事にしたい方は、これら領域から自分に合ったものを探し、そこから絞り込んでいくと良いでしょう。