ヒト・モノ・カネに次ぐ企業の資源とされている、情報。
現代では、情報共有が適切に行われているかが、効率的な業務を行えるかに関わってきています。
一方で、「自分たちの企業は普通に業務を行えているから」と、そこまで情報共有を重要視していない方もいらっしゃると思います。
そこで当記事では、まず情報共有の重要性について考えていきます。
その後、情報共有の方法論や共有がうまくいかないときの対処法をご紹介していきます。
目次
情報共有の重要性とは?
社内情報共有が重要なのは、情報は業績に影響する1種の資源であるからです。
情報共有を習慣化しておくことで、必要な業務を漏れなく行えます。
さらに副次的に、トラブルのリスクの減少にもつながります。
コミュニケーションが増えるので、社員同士の信頼感も高まるかもしれません。
情報は、ヒト・モノ・カネに次ぐ第四の経営資源です。
多くのメリットをもたらすため、社内情報共有は非常に重要です。
社内情報共有を活かした実例
「情報共有したところで、現実的にそんなに多くのメリットがあるとは思えない」
このように考えている方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、情報共有によりメリットを得られた実例をご紹介します。
メディカルローグ株式会社の場合
引用:https://m-d-l.co.jp/
メディカルローグ株式会社は、医学研究・医療研究アプリやwebサイトの開発・制作などを行う企業です。
課題として、情報が流れて行ってしまうチャットツールを、上手く扱えていないことがありました。
そこで、情報共有ツールを、情報の蓄積・振り返りを行える「Stock」に変更しました。
情報の整理が上手くいくようになり、社内の情報共有がスムーズになりました。
情報が一元化されて蓄積されるため、情報を探す時間も短縮されました。
結果として、業務効率が向上しています。
東京地下鉄株式会社
東京地下鉄株式会社は、東京周辺で旅客鉄道事業や不動産事業などを行う企業です。
現場に赴く社員も多く、会社に社員が揃っていないのが日常的でした。
そのため、社員が揃っていなくてもスピーディーに連絡を取り合える環境を必要としていました。
そこで「Skype for Business」を導入し、離れた地点にいる社員同士が連絡を取り合える環境を作りました。
結果として、用途に合わせた多様なコミュニケーションを場所を問わず行えるようになり、コミュニケーションが効率的かつ効果的なものになりました。
シチズン時計株式会社
シチズン時計株式会社は、時計や部品などの精密・電子機器の製造・販売を行っている企業です。
社内データの共有や連絡をすべて電子メールで行っていたため、メールを読む時間と仕分ける時間がそれぞれ必要となっていました。
そこで、社内SNSツール「SKIP」を導入しました。
これにより確認すべきメールの量が70%減少しました。
動画の共有もできるため、技術ノウハウの継承にも役立っています。
このように、課題に即した適切なツールの導入は、社内情報共有の効率化を通して業務を効率化させます。
情報共有の方法
流れに沿って、情報共有の方法を確認していきましょう。
1.情報共有の目的を決める
まずは、各社員の課題と会社の方針を理解します。
何が課題なのか、その中で何を解決すべきなのか、ここを明確にしていきましょう。
この段階をしっかり踏むことで、後の行程が楽になります。
2.情報を出し合う
まずは情報をストックしておく場所を1つ決めましょう。
情報の一元化をできるようにします。
その後は情報を出し合い、共有していきます。
ミーティングでの共有も良いですが、業務効率化を最優先したい場合はツールの導入がおすすめです。
3.繰り返し依頼する
情報共有できる環境があっても、情報共有が活発に行われるとは限りません。
むしろやってもらえないケースがほとんどなので、積極的に情報共有を指示・依頼しましょう。
このとき、一度ではなく何度も依頼するのがポイントです。
4.情報共有が生きているか確認する
情報共有は、なんらかの目的があって行われます。
しっかりとその効果を確認しておきましょう。
もし情報共有が活かされていなかった場合は、ツールの導入や変更、目的の再確認などを行うべきです。
社内情報共有が不足する3つの原因
社内情報共有を行うまでの流れをご紹介しましたが、「4.情報共有が生きているか確認する
」の段階でうまくいってないなと感じることも多いです。
ここでは、社内の情報共有が不足してしまう3つの原因をご紹介します。
1つ目:他のタスクで忙しい
情報共有するには、少し時間がかかりますよね。
各社員の持っているタスクが多い場合、情報共有に時間が割けません。
対策としては、情報共有の社内ルールを明文化し、情報共有プロセスを簡略化することが挙げられます。
具体的には、以下のような項目の明文化を行いましょう。
ポイント
・共有する情報の分類方法・共有場所の周知
・連絡事項を指定するフォーマット
2つ目:気軽に情報共有できる環境にない
具体的には、社内の情報共有ルールが整備されていること、情報共有に抵抗が無いことの2点が揃っている環境である必要があります。
社内メンバーが情報共有にハードルを感じない環境づくりをすべきです。
管理者層が積極的に情報発信をして心理的安全性を整えたり、ツールを導入して実行のハードルを下げたりする必要があります。
3つ目:資料や情報が整理されていない
情報が無秩序に管理されていると、業務で必要な内容を探しにくくなります。
情報共有をしても情報を利用しなくなるため、情報共有が不足してしまいます。
日ごろから、資料や情報を適切に整理・管理することが大切です。
具体的には、以下のように整理基準を明確にする必要があります。
ポイント
・カテゴリーごとのファイル分け
・情報の階層化
より良い情報共有のために
最後に、情報共有ができているとき、さらに効率化するためのポイントをご紹介します。
アナログな情報共有の棚卸とデジタル化の検討
情報共有は、「アナログ」と「デジタル」に分けられます。
アナログの情報共有は、導入が容易ではあります。
しかし、デジタルな情報共有に比べると、実行段階が効率的ではありません。
スピード感も、できることの多さもデジタルの方が優位です。
情報共有をより効率化したいときは、アナログで行っている共有があれば、そこから見直してください。
ただし、デジタルに移行するときは、導入のしやすさも検討しましょう。
情報の一元化
ツールを導入していて、情報の一元化が行われていない時は、一元化を目指しましょう。
情報が集約されると、管理も検索も非常に容易になります。
シンプルな運用ルールの設定
運用ルールが複雑だと、実行までのハードルが高くなってしまいます。
運用ルールは、できるだけシンプルなものを設定しましょう。
情報共有しやすいツールの活用
共有する情報の種類によって、適したツールは異なります。
目的によっても、異なります。
どのような情報をどのような目的で共有したいのかを考え、ツールを選びましょう。
まとめ
情報共有は、業務効率化のために重要です。
以下のポイントに注意して、業務を効率化していきましょう。
まとめ
■情報共有を導入するフロー
1:情報共有の目的を決める
2:情報を出し合う
3:繰り返し依頼する
4:情報共有した内容が活かされているか評価する
■上手くいかない時のチェックポイント
・各社員が他のタスクに追われていないか
・気軽に情報共有できる環境か
・資料や情報は整理されているか