「デザインの修正が終わらない」
これはデザイナーにとって、非常に大きな問題です。
クライアント側に問題があって修正指示が止まらないこともありますが、修正指示を減らすためにデザイナーにできることもあります。
しかし、どのような行動をすべきか分からない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回の記事では、デザインの修正指示が多くなる要因から、少しでも少なくするためのポイントまで解説していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
修正を減らすためにできること
修正指示を減らすために最も重要なことは、「クライアントから具体的な指示を引き出すこと」です。
これは非常にシンプルな秘訣である一方、このように考える方もいらっしゃるかもしれません。
「それができたら苦労しないんだけどなあ」
今回の記事では、その為の方法をご紹介していきます。
修正が多くなる要因
そもそも、修正が多くなる原因とは何でしょうか。
これは大きく、デザイナー側の原因とクライアント側の原因に分けられます。
デザイナー側の原因
クライアントの意図を読み取れない
1つ目は、クライアントの意図を読み取れないことです。
クライアントの意図が分からずにデザイン作業を進めることは、非常に危険です。
なぜなら、方向性自体が間違っていることがあり、後から大きな変更をしなければならなくなる可能性が高いためです。
これはさらに、コミュニケーション不足に起因します。
そのため、積極的にコミュニケーションを取り、クライアントの要望を明確化する必要があります。
ケアレスミス
2つ目は、ケアレスミスです。
思い込みや聞き間違い、デザインやコーディングにおけるミスが、ケアレスミスにつながります。
高頻度でケアレスミスが発生すると、クライアント側の作業が増えますし、負担も大きくなります。
結果としてデザイナーとクライアントの信頼関係を損なうことに繋がるので、ケアレスミスを侮らずに可能な限り減らす努力をしましょう。
スキル不足
3つ目は、スキル不足です。
デザインの質が悪いと、そのまま修正指示に直結します。
また、クライアントの要望が分かっていても、それを実現するスキルが無ければ意味がありません。
デザイナーの方で会社に属している方の場合、社内でチェックリストを設けると良いでしょう。
最低限の質が担保されます。
クライアント側の原因
ここから紹介するのは、修正指示につながるクライアント側の原因です。
しかしデザイナーの方も参考にできる点があるので、ぜひご覧ください。
後からコンテンツの追加や削除を依頼する
1つ目は、後からコンテンツの追加や削除を依頼することです。
デザインの修正は、想像以上に大変な作業です。
しかし一般的にクライアント側はデザイン初心者であり、その点についてあまり詳しくないはずです。
デザインイメージの相違や、伝達ミス
2つ目は、デザインイメージの相違や、伝達ミスです。
クライアントの言い間違いや言葉の捉え方の相違によっても、デザインの方向性が変わってきます。
この点について意識が異なっていると、修正指示につながってしまいます。
クライアント都合の修正
3つ目は、クライアント都合の修正です。
特に、以下のケースに当てはまるクライアントは、注意が必要です。
・デザインのこだわりがない
・デザインにこだわりがあるものの、デザイナーに完成イメージを伝えていないケース
コミュニケーション術
クライアント側は要件をしっかり伝えることが大切になってきます。
一方でデザイナー側には、デザインのための情報をしっかり聞き出すことが求められます。
そのため質問をすることになりますが、答えの質を決めるのは実は「問いの質」です。
【例】メール上のやりとりだけでWEBバナーをデザインする場合
ここからは、「メール上のやり取りだけでwebバナーをデザインするケース」を用いて説明していきます。
たとえば初稿に、「メインコピーをもう少し大きくしてください」と指示が来たとしましょう。
シンプルな指示からクライアントの忙しさが伝わってきますが、この指示だけで修正していくのはリスクが高いです。
しかし、相手は忙しそうです。
このような場合、選択形式で質問すると良いでしょう。
たとえば、以下のように複数の選択肢を用意して「以下の中にあなたの意図に近いものはありますか」と質問してみるのです。
質問の内容
・文字を大きくしてバナーを目立たせたい
・「糖質0」を強調したい
・パスタが2種類あって選べることを強調したい
このように聞くときは、選択肢の内容を大きく異なるものにしておきましょう。
また、選択形式で聞くのは、クライアント側も「なんとなく」で支持している可能性があるためです。
以上の質問に、クライアントから「糖質0を強調してほしい」と返信されたとします。
ここで気をつけたいのは、逆提案のタイミングです。
逆提案は、最初の修正依頼が来た時に行うのが一般的に良いでしょう。
逆提案には、クライアントに納得してもらいやすいというメリットがあります。
たとえば最初のデザインを修正したものと、逆提案として少しデザインを変えたものの2種類があるとしましょう。
逆提案したものが却下されたとしたら、それは最初のものが採用されたということになります。
ここでクライアントは、最初のものに満足できるようになります。
もちろん逆提案の物が採用されれば、デザイナー側への信頼感が上がります。
ただし、わざと見劣りするデザインを逆提案するのは禁物です。
あくまでより良いデザインを作るという気持ちで、逆提案しましょう。
具体的な対策
1つ目は、デザイン案件のゴールの明確化です。
「何をしたら案件終了なのか」について、明確に決めるようにしておきましょう。
ここで重要なのは、案件定義した内容はクライアントと共有することです。
たとえば、「これが達成されたら、デザイン完成ということにしましょう」という感じです。
こうすることで後から修正指示をされることも少なくなりますし、デザインも自信を持って行えます。
また、案件定義するためにはヒアリングで情報を引き出すことが重要です。
具体的には、以下の5点について明確化しておきましょう。
明確化するポイント
・デザインの期待値の明確化
・ターゲット
・ターゲット周防の動機
・競合
・現行の問題点
2つ目は、フェーズごとに確認作業を行うことです。
デザインは、以下のようなステップで行われます。
各パートの間で、クライアントにOKをもらえるようにすることが大切です。
確認するのは、「今回の作業はゴールに向かうものか」ということです。
デザインの5つのステップ
1:課題発見
2:ゴール設定
3:原稿決定
4:初校デザイン
5:修正
3つ目は、修正に追加料金が発生することをガイドラインに明示することです。
修正費の発生は、クライアントにとっては避けたい事案です。
そのため、ヒアリングの段階で真摯に応じてくれる可能性が高くなります。
まとめ
デザイン修正が終わらないという経験をしないためにも、修正指示をできるだけ少なくする工夫がデザイナーには求められます。
デザインは「要件定義」から「デザイン、修正」まで多くのフェーズで行われますが、それぞれの段階を大事にすること、コミュニケーションを適宜とることで、修正指示を減らすことに繋がります。
まずはヒアリングをしっかり行い、良い関係でデザインできるように頑張りましょう。
当社では、デザインの修正を効率化するツールmitekakuを提供しています。
直観的な操作と容易な導入が特徴で、無料で使用できるため自分に合っているかも試しやすいです。
デザイナーの方で修正を少しでも容易にしたい方は、まずは一度お試しください。