文書を公開する際に必ず必要な行程は「校正」と「校閲」です。
これら作業は、特に情報の拡散スピードが速い現代では非常に重要です。
一方でこれら作業は手を抜く人や企業も存在しますし、校正と校閲の違いをご存じない方も多いです。
そこで今回の記事では、校正と校閲のそれぞれの特徴や相違点をご紹介します。
また、これら作業の不十分さが招くトラブルについても解説していきます。
校正や校閲に関する疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
校正と校閲の重要性をまずご紹介!
記事を執筆した際、どうしても発生してしまうのが「誤字脱字」といった間違いです。
どんなに十分に遂行しても、本人では気付かないようなミスもあるでしょう。
しかし、これら間違いがあれば、記事自体に対する信頼性も揺らいでしまいます。
特に数値に代表されるデータの誤りは、信頼性を大きく損なわせます。
そのため、校正・校閲は非常に大切です。
しかし、校正と校閲の違いをよく分からない方も多いでしょう。
ここからは、それぞれの特徴と違いについて解説していきます。
校正について解説します!
校正は、文字・文章を1段階前の校正資料と比べ、誤りを正す作業です。
原稿を修正したら、それをもとに資料を作ります。
そしてその校正した資料を、更に校正していく、という流れです。
この工程を繰り返すほど、精度は高くなっていきます。
校正について考えて欲しいポイントは、「読むことで」誤りを正すのではなく、「資料を比べることで」誤りを正していく点です。
この方法自体が校正の精度に関わるため、この点には注意しておきましょう。
より校正を細かく分けると、「突き合わせ」と「赤字照合」に分けられます。
「突き合わせ」とは、原稿と制作物間の文字の違いを、1字ずつ確認する作業です。
中には、文章を逆から読んで1文字ずつ確認していく方もいらっしゃいます。
これは、文章の内容に注意を払わないようにし、文字のみに集中するということです。
これほどまでに集中力が要されるのが付き合わせです。
「赤字照合」とは、原稿の修正点と初校、初校と再校、再校と三校、そして校了までの修正点がすべて反映されているかを確認していく作業です。
この作業も集中力と根気強さが求められる非常に大変な作業です。
これら作業を言い換えると、突き合わせは文字の違いを、赤字照合は修正点を見ていく作業です。
意外と機械的な作業ではなく、体を使う労働です。
校閲について解説します!
では、校閲とはどのような作業でしょうか。
校閲とは、「内容の事実確認をする作業」です。
定義上でも、校正と区別される概念です。
業務をさらに分解すると、「素読み」と「事実確認」になります。
「素読み」とは原稿内の矛盾を探す工程で、「事実確認」とはさらに掘り下げて現行の内容が本当かを確認する作業です。
事実が捻じ曲げられたり、トラブルになったりする原因は、以下の通りです。
・内容の事実誤認
・誇大表示
・無許可の引用
・差別表現
これらをチェックするのが、校閲です。
例えば、「研究によると、この確率は50%となっています」という文章があるとしましょう。
この場合、この調査結果自体が品等化を調査していきます。
誇大表示ですが、これはたとえば「このツールは日本で最も使用されています」というときに、これが本当ではないことです。
また、一番かもしれないがそのデータの情報源が無いという場合、「最大級」といったように言葉を変える必要があるでしょう。
無許可の引用に関しては、許可が必要なデータかをまず調べます。
その後、許可を採っているかを確認します。
差別的な文言に関しては、非常に難しい問題です。
重要なことは、執筆者が意図せずとも、受け手が差別と感じたら差別表現になってしまうことです。
これまでの校閲のポイントと違い主観が入り込む領域なので、少し判断は難しいです。
昨今問題となっているメディアの間違った情報伝達は、校閲のミスと言えるでしょう。
事実と異なる文章を載せることは、校正のミス以上にメディアの信頼を失わせます。
校正と校閲の違いを具体例を交えて解説します!
例えば、「6時間以下の睡眠は、50%の格率で集中力を低下させる」という文章があります。
この文章を、校正者と校閲者はどのように修正するのかを考えてみます。
まず、校正者の視点に立ってみましょう。
校正者は、「格率」を「確率」に修正するでしょう。
では、校閲者はどうでしょうか。
校閲者は、「6時間以下」や「50%」といった数値が正しいかを確認した後、それらデータの出典元が引用許可を必要とするのか、必要としていた場合許可を採っているのかを確認するでしょう。
以上が校正者と校閲者の仕事の違いです。
校正や校閲が不十分だとどうなる?
最後に、校正や校閲の甘さがどんなことに発展してしまうかをご紹介します。
校正や校閲が不十分だと、誤字脱字や不適切な表現を含む文章を発信することに繋がりかねません。
そして、これら問題はさらに様々なトラブルに発展します。
印刷物であれば刷り直すコストがかかりますし、それ以前の修正自体にも金銭的・時間的なコストが発生します。
今勢いのあるメディアはネットですが、ネットでの誤情報も非常に大きなリスクを孕んでいます。
修正は簡単かもしれませんが、拡散のスピードが従来のメディアと比較にならないほど速いためです。
また、「デジタルタトゥー」と呼ばれるような、一生の不祥事になってしまうこともあります。
具体的にどのようなケースがあったかをご紹介します。
まずはメーカーの場合です。
メーカーは実物を取り扱うことが多く、売り出し後にミスが発覚すると大変です。
たとえばカレンダーの売り出し後に曜日ごと・祝日ごとの配色におけるミスがあると大変ですよね。
次は大手スーパーの場合です。
スーパーはチラシを配りますが、そのチラシのセール品の桁を1つ少なくしてしまったとしましょう。
大きな赤字が発生してしまうことが想像できます。
次はITベンチャーの場合です。
運用しているサイトで、倫理的または法的に違反している表現が発覚したとしましょう。
ネット上なので拡散も早く、中には取締役が辞任に追い込まれたケースもあります。
最後にネットメディアのケースです。
ネットメディアには、校正・校閲部門を設けない会社も実は存在しています。
速報性を重視するあまり、それらにコストをかけないのです。
一方でネットメディアは拡散が早いため、非常に問題となっており、現在ではネットメディア全般に対する信頼が低下しています。
以上が不十分な校正・校閲で発生しうるリスクです。
たしかにこれらの作業には想像以上の労力が必要です。
しかしおざなりにしてしまうと、より大きなコストが発生してしまいます。
これら作業は、侮らずに丁寧に行うことが重要です。
まとめ
今回の記事では、校正と校閲のそれぞれの特徴や相違点、役割などについて解説してきました。
トラブルを防ぐという観点で見ても、これらは非常に大切ということでした。
今回の記事が、皆様の仕事の一助になれば幸いです。
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