デザイナーとクライアントの双方にとって避けたいのが「修正地獄」ですよね。
お金の面でも時間の面でも相当なコストがかかってしまうこの現象は、できるだけ防止する必要があるでしょう。
しかし、その対策を知らない方も多いはずです。
そこで今回の記事では、修正地獄が発生してしまう理由と、その対策、実際の仕事の進め方を解説していきます。
クライアントの方もデザイナーの方も、これらに関するお悩みや疑問をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
なぜ修正地獄に?
修正地獄が発生してしまう理由は、主に以下の4点でしょう。
修正地獄が発生してしまう原因
・具体的にイメージしていない
・クリエイターの苦労が分かっていない
・不十分なヒアリング
・クライアントと合わないセンス
01.具体的なイメージが無いこと
1つ目は「具体的なイメージが無いこと」です。
完成品の具体的なイメージが無い場合、修正地獄に落ちいりやすいです。
出版社といったクリエイターと接する機会の多い業種においては修正はあまりないようです。
一方でクリエイターと接する機会の少ない企業では、具体的なイメージを考えないままに依頼することが多いようです。
具体的なイメージが無いと、完成品に対し企業側から注文が付くことが多く、修正地獄に陥ってしまいます。
デザイナー側がサンプルを複数持ち込んでそこから選んでもらう、ということもあるようです。
しかし修正が多く後から注文をつけすぎると、デザイナーもモチベーションは低下し、継続的な関係も築けないでしょう。
02.クリエイターの苦労が分からないこと
クライアントの中には、どうしてもクリエイターのことが分からない方や企業もいるでしょう。
接する機会が少ないので仕方がないのかもしれませんが、双方が相手の事情を理解しようと努力することが大切です。
対策としては、デザインにかかる時間を伝えることが挙げられます。
03.不十分なヒアリング
クライアントの要求が曖昧なまま作り始めると、修正地獄に陥りやすくなります。
デザイナー側は十分なヒアリングを、クライアント側は十分な情報伝達をこころがけましょう。
04.デザイナーとクライアントのセンスの不一致
4つ目は、「デザイナーとクライアントのセンスの不一致」です。
デザイナー側がどんなに努力をしても、クライアントの肌に合わないものは受理されません。
また、センスの違いはメッセージのみでは分からないのも大変なポイントです。
クライアント側には、デザイナーの過去作品を見るという努力が求められるでしょう。
修正地獄を防ぐためのディレクション術
ここでは、デザイナー目線でディレクション術を解説していきます。
01.デザインの目的・ゴールの確認
1つ目は、「デザインの目的・ゴールの確認」です。
どんなデザインにも、目的や意図が隠れています。
それをヒアリングしておくことが、修正を増やさないためには大切です。
02.自分の趣味嗜好を入れないこと
2つ目は、「自分の趣味嗜好を入れないこと」です。
駆け出しのデザイナーに多いのですが、自分の趣味嗜好を挟み過ぎると、本来の目的から離れたデザインになってしまいます。
03.デザインサンプルの提出
3つ目は、「デザインサンプルの提出」です。
言葉だけの確認だとイメージのズレが発生しやすいので、デザインサンプルをネットで探しましょう。
クライアント側、デザイナー側の双方がサンプルの提出をできるとより良いでしょう。
04.ラフ段階からのこまめな確認
4つ目は、「ラフ段階からのこまめな確認」です。
イメージの共有後に、すぐに完成品を作るのはあまりおすすめできません。
そこで、カンプやラフ段階でクライアントに見せてみましょう。
この段階での修正は、あまり痛手にならないためです。
05.資料・文章は確定版をもらうこと
5つ目は、「資料・文章は確定版をもらうこと」です。
レイアウト完成後に、「変更したい」とクライアント側から言い出すのはあまりよくありません。
この段階での変更は想像以上に大変ですよね。
この対策として、資料は「確定版」をもらうようにしてください。
また、資料が確定版であるかの確認もしておくと良いでしょう。
この確認は、念入りに、確かに行っておきましょう。
ただし、もちろん言い方には気を配らなければなりません。
06.作業時間・労力をあらかじめ説明しておくこと
6つ目は、「作業時間・労力をあらかじめ説明しておくこと」です。
クライアント側がこの点に関して理解しているとは限らず、修正を簡単なものだと思い込んでいるときもあります。
そのため、前もって作業にかかる時間や労力といったコストを説明しておきましょう。
07.修正に関する取り決めをしておくこと
7つ目は、「修正に関する取り決めをしておくこと」です。
修正に関する取り決めも、前もってしておくことが必要です。
修正範囲はどれくらいか、修正にはどれくらい追加料金を設定するのかなどを決めておきましょう。
ただし、クライアントとの関係によってはこれは必要ありません。
しかし、初めて仕事をするクライアントの場合、ぜひ修正の取り決めはしておきましょう。
08.マーケティングの知識を身に着けること
8つ目は、「マーケティングの知識を身に着けること」です。
たとえば広告の場合、クライアントの目的は「集客」や「売り上げの増加」でしょう。
デザイナー側にマーケティングの知識があれば、クライアントの修正依頼に対して意見できます。
09.仕事を断る勇気
9つ目は、「仕事を断る勇気」です。
クライアントの中には、イメージがはっきりしないままにデザインを依頼してくる人や会社もあります。
そのような会社から依頼された場合は、断る勇気も大切です。
このとき、「イメージが固まってから再度ご依頼ください」と一言付けておきましょう。
こうすることで、仕事の獲得につながるかもしれません。
修正地獄にならないような仕事の進め方
まずは完成品のヒアリングを行い、認識を合わせていきます。
次にイメージの確認をしていきます。
たとえばデザイン系なら、Pinterestでコンセプトに近いものをいくつか探して提示します。
イメージをすり合わせたら、ファーストビューやメイン部分の1パターンのみを確認してもらいます。
こうすることで、認識の違いから生じるリスクを最大限減らせます。
最後にOKが出たパターンを全体に適用します。
以上が仕事の流れです。
注意点として、デザイナー側はやり取りを記録に残せると良いでしょう。
後からトラブルになることを防げますし、求められていることの確認もできます。
相手の立場に立ちましょう!
デザイナーとクライアント側の双方に求められるのが、相手の立場に立つ姿勢です。
究極的にはこのことのみに集中すれば、修正回数も減らせるでしょう。
しかし、どうしてもクライアント側の意向に沿わないようなアイデアを思いつくこともあるかもしれません。
これを抑えてフラストレーションを貯めるのが嫌な人は、思いついたアイデアに基づいて完成品を作ってみてもらうのも一法でしょう。
もしかすると「余計なことをするな」と思われるかもしれませんが、そのような関係はもともと長続きしないでしょう。
反対にアイデアを提示することで、次の仕事にもつながるかもしれません。
まとめ
今回の記事では、修正地獄になってしまう理由や対策をご紹介してきました。
一言でまとめると、お互いが相手のことを考えて仕事をすれば、双方にとって気持ちよく仕事ができます。
今回の記事で、コミュニケーションの重要性が分かっていただけたと思います。
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