ロゴデザインは創作である一方、ターゲットが存在するため「伝わること」が大切になってきます。
そのため、ロゴデザインをするときには、意識すべきポイントがあります。
今回の記事ではそれら意識すべきことと、反対にやってはけないことをご紹介します。
目次
ロゴとシンボルマークの違い
まずはロゴという言葉の意味について確認していきましょう。
「ロゴ」に似た言葉には「シンボルマーク」や「ロゴマーク」、「ロゴタイプ」などがありますが、これらの定義は異なります。
ロゴタイプとは、デザインされた文字・文字列を指します。
ブランド名や商品名、団体名や雑誌名を印刷・表示する際に使用されるのがこれに当たります。
シンボルマークとは、会社や団体、個人などを象徴するマークのことです。
日本に昔からある家紋も、シンボルマークの一種です。
別名ロゴマークとも言います。
ロゴとは、ロゴタイプ・シンボルマーク(ロゴマーク)の総称です。
ロゴの考え方
良いロゴのアイデアは、突然思いつくようなものではありません。
良いロゴを思いつくためにはいくつかステップを踏む必要があります。
ロゴを考案するときの流れは、以下の5ステップです。
ロゴ考案の5つのステップ
1:テーマ設定
2:リサーチ
3:アイデア出し
4:制作
5:ガイドライン作成
1.テーマ設定
まずは「テーマ設定」です。
初めにシンプルで明確なテーマを考えましょう。
「なぜロゴを作成するのか」「どのような場面でロゴを使用するのか」「ロゴで期待する効果」「ロゴを通して伝えたいメッセージ」など、ロゴ作成の目的から逆算すると適切なテーマを設定できます。
明確なテーマ設定は、ロゴ作成の意図を達成するためにも大切です。
2.リサーチ
続いて「リサーチ」です。
ロゴのテーマが設定できたら、企業や企業を取り巻く周辺環境について、広くリサーチしていきます。
実際に集めたい情報は以下の通りです。
リサーチのポイント
・企業の理念
・企業ストーリー
・業績
・顧客
・ライバル企業
リサーチするときは、3C分析(市場Customer、競合Competitor、自社Company)やSWOT分析(強みStrength、弱みWeakness、機会Opportunity、脅威Threat)がおすすめです。
3.アイデア出し
ステップ3は「アイデア出し」です。
リサーチによってロゴデザインに必要な情報が揃ったら、テーマを軸としてアイデア出しをしていきます。
ポイントは、否定されることを恐れずにどんどんアイデアを出すことです。
アイデアが出たら、それに対して批評せずにすべて紙に書き出していきましょう。
アイデアがでないときは、「オズボーンのチェックリスト」などの発想法を活用してみるのがおすすめです。
4.制作
そしていよいよ「制作」です。
ベクタ形式のデータを作成できる「Adobe Illustrator」といったデザイン制作ソフトを用いて、ロゴの制作に移ります。
あらゆる使用場面を想定し、様々なパターンのロゴを作成しましょう。
制作したロゴの良し悪しを確かめたい場合は、ロゴの視認性やバランスといった見た目を多角的に分析できる「Logo Lab」といったテストツールの活用がおすすめです。
または、従業員や顧客にテストとしてアンケートを取るのも良いでしょう。
5.ガイドライン作成
最後は「ガイドライン作成」です。
ロゴの完成後は、ロゴを使用する際のルールを集めたガイドラインを作成します。
ガイドラインにはカラーや書体、最小使用サイズといったロゴの基本データと、ロゴに込められた思いやストーリー、そして禁止事項を盛り込みます。
ロゴを正しく使用しないと、企業のイメージが歪んだ状態で受け取られてしまいます。
必ずガイドラインを策定し、誤った使われ方をされないように対策しましょう。
ロゴデザインでやってはいけないこと
ロゴの事前調査をしないこと
1つ目は、「ロゴの事前調査をしないこと」です。
ロゴの事前調査をせずにロゴ制作を行っても、クライアントに納得してもらえるようなものは作りにくいです。
アパレル業界の会社のロゴを作るときに、ターゲットを調査しなければ、会社がどのような層にアプローチしたいのか分からないままです。
最初に行うべきことは、業界の動向や競合他社のロゴ、ユーザー層の調査です。
それから道筋を立てていくのが賢明です。
事前調査は少々面倒かもしれませんが、必ず行いましょう。
フォントを複数使うこと
2つ目は、フォントを複数使うことです。
新人デザイナーに多いのが、奇抜なフォントの作成です。
面白いフォントは場合によっては良いかもしれません。
しかし、メッセージが見ている人に伝わり、かつシンプルなものである必要があります。
複数のフォントを使うと複雑になってしまうので、多くても2つまでにとどめるのが良いでしょう。
また、細かすぎたりべタすぎたりするものもあまりおすすめできません。
一方で、一般的すぎるフォントを使用するのも良くありません。
全くインパクトがないためです。
フォント選びは、手を抜かずに企業の雰囲気に合ったものを探しましょう。
複雑なデザイン
3つ目は、複雑なデザインです。
複雑なデザインは、大きさが変わることで印象が大きく変わってしまいます。
また、小さくしたときに複雑なデザインは潰れてしまうこともあります。
使用用途を考慮し、複雑すぎないデザインを作ることが大切です。
抽象的なデザイン
4つ目は、抽象的なデザインです。
これは複数フォントを使用するとユーザーに伝わりにくくなるのと同様、抽象的なデザインもユーザーに伝わりにくいことが要因です。
その中でユニークさを出せれば最良でしょう。
ロゴのトレンドを意識する
5つ目は、ロゴのトレンドを意識することです。
ロゴにはトレンドがあり、ある年は立体的なロゴ、ある年は動物のロゴというように移り変わっています。
しかし、トレンドに合わせたロゴは、年月を経たときに陳腐化してしまう恐れがあります。
トレンドは特に意識せず、長く愛されるようなロゴを目指していきましょう。
特殊効果や色に頼ること
6つ目は、特殊効果や色に頼ることです。
モノクロにしても映えるようなロゴを作り出すことが大切です。
たとえばグラデーションであったり、エンボス加工であったりするものは、モノクロにしたときに効果を発揮できません。
最初はモノクロを前提として作成することで、モノクロでも映えるデザインを作れます。
ロゴデザインの正しい考え方
ロゴデザインで避けるべきことの裏返しになる部分もありますが、ロゴデザインで忘れないようにしたい軸となる考え方をご紹介します。
まず、ありきたりなデザインは避けましょう。
これは簡単なことではないですが、ユーザーベースで考えることでありきたりなデザインを避けることにつながります。
そして、発想をカタチにしましょう。
ユーザーベースでデザインに盛り込みたい要素を考えられたら、その発想をカタチに変えていく工程です。
一般的な図形(丸、三角など)を使用する場合は、ユニークさを出すことが難しくなるため、工夫が必要になります。
最後に、ロゴは多用途に使用できるようにしましょう。
ロゴはパンフレット、商品など、様々に使用することになります。
そのため、どのようなサイズ・レイアウトであっても使用できるようなロゴを作る必要があります。
まとめ
今回の記事では、ロゴについて多面的にご紹介しました。
ロゴを考える際は事前調査を行い、テーマ設定をしてから作り始めるのが良いでしょう。
また、ロゴには「シンプルさ」、「ユニークさ」、「多用途に使用できること」が求められます。
使用場面を想定したロゴ作成が重要です。
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