デザインを依頼したのに「イメージと違うものが上がってきた」という経験はありませんか。デザインは言葉で説明しにくいため、伝え方しだいで仕上がりが大きく変わります。
この記事では、デザイン制作をしている株式会社Ryuki Designの編集部が、イメージが伝わらない原因、依頼の前に準備しておくこと、イメージを正しく伝えるコツ、イメージを伝えるときに使える言葉、制作会社と完成イメージをそろえる進め方を紹介します。
目次
デザインのイメージが伝わらない3つの原因
「イメージどおりのデザインが上がってこない」というとき、原因はデザイナーの腕だけとは限りません。よくある原因は次の3つです。
言葉の受け取り方が人によってちがう
「かっこいい」「おしゃれ」「シンプル」といった言葉は、人によって思い浮かべるものがちがいます。「かっこいい」ひとつでも、高級感のあるかっこよさを思う人もいれば、スポーティーなかっこよさを思う人もいます。言葉だけで伝えると、このずれがそのままデザインのずれになります。
依頼する側にも完成イメージがない
制作の現場で、修正が長引く原因として多いのが「お客さまが出来上がりのイメージを持っていない」場合です。完成形が決まっていないまま作り始めると、見てから「なんか違う」と感じて修正をくり返すことになりがちです。
はっきりしたイメージがなくても大丈夫です。好きなデザインや、参考にしたいものを集めるところから始めましょう。
前提の情報が足りない
だれに向けたものか、どこで使うのか、何のために作るのかが伝わっていないと、デザイナーは受け手のことを考えて作れません。見た目の好みより先に、こうした前提を共有することが大切です。
依頼の前に準備しておくこと
次の情報がそろっていると、デザイナーは最初から方向性をしぼって作れます。メモ程度でよいので、依頼の前にまとめておきましょう。
目的とゴール
その制作物で何を実現したいのかを決めます。チラシなら来店や問い合わせ、Webサイトやランディングページなら購入・申し込み・問い合わせの増加など、ゴールによって目立たせる場所や構成が変わります。
ターゲットと使う場所
だれに見てもらうのか(年代・性別・どんな悩みを持つ人か)と、どこで使うのか(チラシ、Web広告、SNS、店頭など)を伝えます。ターゲットによって好まれる色や雰囲気が変わり、使う場所によって文字の大きさや情報量も変わります。
サイズ・納期・納品の形
仕上がりのサイズ、いつまでに必要か、どんなデータで受け取りたいか(印刷用のデータ、Web用の画像など)は、作り始める前に必ず伝えましょう。あとから変わると、作り直しになることがあります。
好みと、今あるものへの感想
好きなデザイン・苦手なデザインや、今使っているチラシやサイトの「気に入っている点」「変えたい点」も伝えると、ずれが少なくなります。
社内で最終的に判断する人がいる場合は、その人の好みも聞いておくと、できあがってから方向性がひっくり返るのを防げます。依頼の内容をまとめるときは「デザイン指示書の書き方」も参考にしてください。
イメージを正しく伝える4つのコツ
準備ができたら、イメージそのものを伝えます。ポイントは、言葉だけに頼らないことです。
参考のデザインを見せる
いちばん確実なのは、近いイメージのデザインや写真を見せることです。1枚だけだと、その画像に引っぱられすぎることがあるので、3〜5枚くらい集めるのがおすすめです。
参考の「どこが好きか」を添える
参考画像を見せるときは、「色の組み合わせが好き」「写真の使い方を参考にしたい」「文字の雰囲気がいい」のように、どこを参考にしたいのかを言葉にして添えましょう。全体をまねしてほしいのか、一部だけなのかが伝わります。
あいまいな言葉を具体的な言葉に置きかえる
「かっこよく」ではなく「黒と金を使った、高級感のあるかっこよさ」、「明るく」ではなく「白を多めにして、オレンジを差し色に」のように、色や雰囲気を具体的に言いかえると、受け取り方のずれが小さくなります。
ラフで配置と優先順位を伝える
入れたい情報の配置や、いちばん目立たせたい情報が決まっているなら、手書きの簡単なラフを添えると伝わりやすくなります。絵の上手さは関係ありません。ラフの作り方は「ラフデザインの作り方」で紹介しています。
イメージを伝えるときに使える言葉
言葉で伝えるときは、次のような言葉が使われます。ただし言葉だけでは受け取り方がちがうので、参考画像と組み合わせて使いましょう。デザインの雰囲気ごとの見本は「デザインの雰囲気(テイスト)の種類一覧」で紹介しています。
年代・世代を感じさせる言葉
若々しい、エネルギッシュ、生き生きとした、落ち着いた、渋い、ノスタルジック、レトロ など
色の印象を伝える言葉
温かみのある、淡い、くすんだ、柔らかい、自然な、無機質な、中性的な、陽気な、ミステリアス など
形・グラフィックの印象を伝える言葉
シンプル、ミニマル、シャープ、ポップ、スタイリッシュ、モダン、和モダン、手書き風、手作り感、インパクトのある、メリハリのある、抜け感のある など
全体の雰囲気を伝える言葉
安心感のある、高級感のある、ラグジュアリー、華やか、上品、ナチュラル、力強い、楽しげ、親しみやすい、信頼感のある、伝統的 など
制作会社と完成イメージをそろえる進め方
弊社では、作り始める前にお客さまにどんなデザインが好みか、どんな仕上がりを希望しているかを聞き、なぜこのデザインにするのかを伝えて、出来上がりのイメージを共有するようにしています。初稿から修正は2回までで収めるための工夫です。
依頼する側も、次の点を意識すると、完成イメージをそろえやすくなります。
提案の理由を聞く
デザインが上がってきたら、気になるところだけでなく、「なぜこの色・この配置にしたのか」も聞いてみましょう。理由を知ると、直すべきところと残したほうがよいところが分かります。
初稿で方向性を確かめる
最初のデザイン(初稿)では、細かい文字の直しより先に、全体の方向性が合っているかを確かめましょう。方向性がずれたまま細部を直すと、修正の回数が増えてしまいます。
修正は具体的に、デザインの上で伝える
「この文字をもう少し大きく」だけでは、どれくらいかが伝わりません。どこを、どう直したいのかを具体的に、できれば画面や画像の上に書きこんで伝えましょう。デザインに直接書きこめる無料のツール「mitekaku」なら、修正指示をURLで共有できます。
修正の回数を減らすコツは「デザインの修正が終わらない原因と、修正回数を減らす方法」で紹介しています。
まとめ
デザインのイメージを伝えるコツは、目的やターゲットなどの前提を共有したうえで、言葉だけでなく参考画像やラフで「見せて」伝えることです。
はっきりした完成イメージがなくても、好きなデザインを集めて制作会社と話しながら、少しずつイメージをそろえていけば大丈夫です。
ポイント
■依頼の前に準備すること
・目的とゴール
・ターゲットと使う場所
・サイズ・納期・納品の形
・好みと、今あるものへの感想
■イメージを伝えるコツ
・参考のデザインを3〜5枚見せる
・参考の「どこが好きか」を添える
・あいまいな言葉を具体的に言いかえる
・ラフで配置と優先順位を伝える
■完成イメージをそろえる
・提案の理由を聞く
・初稿で方向性を確かめる
・修正は具体的に、デザインの上で伝える





