ロゴは、会社やサービスの「顔」として、名刺やWebサイト、看板、商品など、あらゆる場面で長く使われるものです。だからこそ、思いつきで作るのではなく、目的を決め、条件を確かめながら作ることが大切です。
この記事では、デザイン制作をしている株式会社Ryuki Designの編集部が、ロゴデザインの種類、良いロゴの条件、作り方の流れ、おしゃれなロゴを目指すときのコツ、作るときの注意点、制作会社に依頼するときのポイントを紹介します。
目次
ロゴデザインとは
ロゴデザインとは、会社やサービス、お店、ブランドの名前や考え方を、ひと目で伝わる形にデザインしたものです。名前を覚えてもらう、ほかと区別してもらう、信頼してもらうといった役割があります。
ロゴは使われる目的によって、主に次の3つに分けられます。図形のマークと文字の組み合わせ方については「英字でかっこいいロゴ・タイトルを作るコツ」で紹介しています。
会社・団体のロゴ
会社や団体の理念、考え方を表すロゴです。会社案内やWebサイト、名刺などで使われ、その会社を象徴する色(コーポレートカラー)が使われることが多いです。
サービス・お店・ブランドのロゴ
会社が運営するサービスやお店、商品のブランドを表すロゴです。会社のロゴと同じものを使う場合も、分けて作る場合もあります。分ける場合でも、雰囲気をそろえておくと、ブランド全体にまとまりが出ます。
認証のロゴ
審査機関の基準を満たしていることを示すロゴです。JISマークのように、製品やサービスの信頼性を伝えるために使われます。
良いロゴの5つの条件
長く使われる良いロゴには、共通する条件があります。
シンプルで覚えやすい
形がシンプルなロゴは、一度見ただけで覚えてもらいやすく、いろいろな場面で使えます。要素を足すほどかっこよく見えそうですが、複雑なロゴは覚えにくく、印象に残りにくくなります。
時代に左右されない
流行の表現を取り入れすぎると、数年で古く見えてしまいます。10年後、20年後も使えるかを考えて作りましょう。
どんな大きさ・色でも使える
ロゴは、Webサイトの左上、名刺、看板、SNSのアイコン、印刷物など、さまざまな大きさと色で使われます。作るときは次の点を確かめましょう。
・1色だけで表したときに形が分かるか
・白黒を反転させても使えるか
・切手くらい小さくしても読めるか
・看板くらい大きくしてもくずれないか
最初は白黒で形を考えると、色に頼らず形そのものに集中できます。どんな大きさにしても荒れないよう、データはベクター形式で作りましょう。
ほかと区別できる
同じ業種の会社と似たロゴでは、覚えてもらえません。ありきたりなモチーフをそのまま使うのではなく、その会社やサービスらしさが出る形を考えましょう。
業種や相手に合っている
たとえば、子ども向けのおもちゃ屋に合うやわらかいロゴは、法律事務所には合いません。だれに向けたロゴなのかを考え、ふさわしい雰囲気にしましょう。
ロゴの作り方の流れ
ロゴは、次の5つの流れで作るのが基本です。
1. 目的とテーマを決める
なぜロゴを作るのか、どこで使うのか、ロゴにどんな効果を期待するのか、どんな印象を持ってほしいのかを整理します。会社のロゴなら、社長や担当者など、決める人を集めてチームを作り、ロゴに込めたい想いを言葉にしておきましょう。
2. リサーチする
会社の理念や成り立ち、お客さま、競合の会社などを調べます。あわせて、似たロゴがないか、すでに商標として登録されていないかも確かめておきましょう。商標は、特許庁のデータベース「J-PlatPat」で調べられます。
3. アイデアをたくさん出す
この段階では、質より量です。「たぶん使わない」と思う案も含めて、手書きのラフでどんどん描き出します。参考にしたいロゴを集めて、「線の太さ」「角の丸さ」「色の数」など、どこがよいのかを言葉にしておくと、アイデアの手がかりになります。
4. データで作り、使う場面で確かめる
しぼりこんだ案をパソコンで形にします。大きくしたとき、小さくしたとき、白黒にしたとき、名刺やWebサイトにのせたときなど、実際に使う場面に当てはめて確かめましょう。
5. 使い方のルールを作る
完成したら、ロゴの使い方のルール(ガイドライン)を作ります。色の指定、使う書体、いちばん小さく使える大きさ、まわりに空ける余白、やってはいけない使い方などをまとめておくと、だれが使ってもロゴの印象がくずれません。
「おしゃれ」「かっこいい」ロゴを目指すとき
「おしゃれなロゴにしたい」「かっこいいロゴにしたい」というときは、次の3つを意識すると、イメージがぶれにくくなります。
目指す印象を言葉で決める
「おしゃれ」の受け取り方は人によってちがいます。「上品」「ナチュラル」「洗練された」「遊び心のある」など、目指す印象を具体的な言葉で決めておきましょう。
参考のロゴを集めて、よい点を言葉にする
目指す印象に近いロゴをたくさん集め、どこがよいと感じるのかを言葉にします。デザインの事例を集めたWebサイトや本を見ると、目が養われます。
書体にもこだわる
ロゴの印象は、文字の書体で大きく変わります。上品にしたいならセリフ体や明朝体、親しみやすくしたいなら丸みのある書体など、目指す印象に合わせて選びましょう。書体の見本は「高級感のあるフォントの見本と選び方」でも紹介しています。
ロゴを作るときの注意点
ロゴを作るときは、次の点に気をつけましょう。避けたいことのくわしい例は「ロゴデザインを考える際にやってはいけないこと」で紹介しています。
細かすぎる装飾やグラデーションは避ける
細かい装飾やグラデーションは、小さくしたときや、ボールペンへの刻印、刺しゅうなど、表現できる色や線が限られる場面で再現できないことがあります。どんな場面でも使えるよう、シンプルな形と色にしておきましょう。
読める書体と文字の並びにする
名前を覚えてもらうためには、読めることが大前提です。読みにくい書体や、読む順番が分かりにくい文字の並べ方は避けましょう。背景の色によって見えにくくならないかも確かめておきます。
書体のライセンスを確認する
書体(フォント)には、使ってよい範囲が決められています。無料の書体でも、商用やロゴへの使用が認められていないものがあります。ロゴに使う前に、必ずライセンスを確認しましょう。
似たロゴや商標がないか調べる
作ったロゴがほかの会社のロゴに似ていると、トラブルになるおそれがあります。完成前に、似たロゴがないか、商標として登録されていないかを確かめておきましょう。
ロゴを依頼するときのイメージの伝え方
ロゴを制作会社やデザイナーに依頼するときは、次の5つを意識すると、イメージどおりのロゴに近づけます。
文字だけか、マーク付きかを決めておく
ロゴには、会社名や商品名の文字をデザインした「ロゴタイプ」と、考え方や想いを図案にした「シンボルマーク(ロゴマーク)」があり、2つを組み合わせて使うことも多いです。文字だけでよいのか、マークも作るのか、セットにする場合はどちらを主役にするのかを、依頼する前に決めておきましょう。
目的・使う場面・込めたい想いを伝える
ロゴを作る理由、どこで使うのか(Webサイト、看板、名刺、商品パッケージなど)、ロゴに込めたい想いや会社の成り立ちを伝えましょう。デザイナーが形を考えるための大切な材料になります。
参考のロゴと「どこが好きか」を伝える
好きなロゴ、苦手なロゴがあれば、どこが好きか・苦手かを添えて見せましょう。言葉だけで伝えるより、イメージのずれがずっと少なくなります。伝え方は「デザインイメージの伝え方」で紹介しています。
避けたいデザインや色と、その理由も伝える
「こういうのがいい」というイメージがなくても、「これは避けたい」というものはたいていあります。避けたいデザインや色を理由と一緒に伝えると、デザイナーは好みの範囲をつかみやすくなります。
特に色は好みが分かれやすいので、好きな色が決まっていなくても、避けたい色だけは伝えておくと作り直しを防げます。
決める人を最初に決めておく
制作の現場で修正が長引く原因として多いのが、お客さま側でチェックする人が多い場合です。ロゴは会社の顔なので、関わる人が増えがちです。最終的にだれが決めるのかを最初に決めておき、意見はその人がまとめて伝えるようにしましょう。
まとめ
良いロゴは、シンプルで覚えやすく、どんな大きさや色でも使え、ほかと区別できるものです。目的とテーマを決め、リサーチとアイデア出しを重ねて、実際に使う場面で確かめながら作りましょう。
依頼するときは、文字だけかマーク付きかを決め、目的や込めたい想い、参考のロゴ、避けたいデザインや色を伝え、決める人を最初に決めておくと、スムーズに進みます。
ポイント
■良いロゴの条件
・シンプルで覚えやすい
・時代に左右されない
・どんな大きさ・色でも使える
・ほかと区別できる
・業種や相手に合っている
■作り方の流れ
1. 目的とテーマを決める
2. リサーチする
3. アイデアをたくさん出す
4. データで作り、使う場面で確かめる
5. 使い方のルールを作る
■注意点
・細かすぎる装飾やグラデーションは避ける
・読める書体と文字の並びにする
・書体のライセンスを確認する
・似たロゴや商標がないか調べる
■依頼するときのイメージの伝え方
・文字だけか、マーク付きかを決めておく
・目的・使う場面・込めたい想いを伝える
・参考のロゴと「どこが好きか」を伝える
・避けたいデザインや色と、その理由も伝える
・決める人を最初に決めておく





